ブレーキフルード交換


 夏タイヤに交換するついでにブレーキフルードを交換しました。
 ブレーキフルードは吸湿性があるので、まめに交換しないと本来の性能は発揮できません。フルードが湿気を吸うと沸点が下がってきます。そうなると峠の下りなんかでベーパーロック現象が起こります。これはフルードが沸騰してブレーキ配管に気泡が出来る現象です。
 気泡が出来たらどうなるか。ズバリ!ブレーキが効かなくなります。ブレーキフルードは液体なので、圧縮しても体積はほとんど変わりません。ところが、気泡は圧縮されると体積が小さくなります。これが曲者です。
 今、ブレーキを踏んでブレーキが効くまでを考えてみましょう。ブレーキを踏むとマスターシリンダーが押し込まれます。ここで、ブレーキフルードに力が加わり押し出されます。つまり圧縮の力が加わります。この力が配管を通り、キャリパーのピストンを押し出します。ピストンはブレーキパッドをローターに押し付け、摩擦力を得て、車に制動力を与えます。
 この一連の動きの中で、フルードに気泡が入っていると、ブレーキを踏んでも気泡がつぶされる事に費やされ、ブレーキを踏んだ力はパッドに届きません。こんな時は何回か踏み込んでやれば気泡が完全につぶれ、パッドに力を伝えることが出来ます。でも、ブレーキのたびに何回も踏むのは大変ですし、何より、急ブレーキの時には間に合いません。というわけで、配管の中に気泡が無いことが大事です。ブレーキフルードはまめに交換するのが正しいです。




 ブレーキフルードの交換ですが、工具さえあれば難しくありません。S4の場合の必要な工具は、透明なホース1本。11番のメガネレンチ、相方。の3個で交換可能です。
 まず、キャリパーのドレンのキャップをはずし、透明なホースを差込み、相方に合図を送ります。「踏め」と。
 相方はブレーキを踏みます。このタイミングでドレンを開け、閉めます。そして相方に合図を送ります。「離せ」と。
 この繰り返しで、フルードを抜いていきます、。

 鍬兎郎の場合は相方がおらんので、「一人で出来るもん」な装置を使いました。これは手動ポンプで、フルードをどんどん吸い出すようになっています。なかなか便利です。またコップにフルードを受ける形なので、どのぐらい抜けたかもわかります。リザーバータンクへの補充のタイミングもわかりなかなか便利です。

 大まかな作業手順は、@リザーバータンクの古いフルードを吸い上げる。Aリザーバータンクに新しいフルードを満たす。Bマスターシリンダーから遠いキャリパーから順に作業する。C適宜リザーバータンクに新しいフルードを補充する。


 実際にキャリパーのフルードを抜くには、@ジャッキアップし、ホイールをはずす。Aドレンキャップをはずす。Bドレンにメガネレンチをかけ、透明ホースを取り付ける。Cポンプで吸い出す。Dドレンを開ける。E新しいフルードが出てくるまで抜き続ける。Fドレンを閉め、キャップを取り付ける。Gリザーバータンクにフルードを補充する。
 となります。特に、Cは大事です。必ずポンプを操作し、負圧にしてからドレンを開けましょう。逆流するとエアが入っちゃいます。そして、この手順をを4輪繰り返せばOKですが、通常は面倒です。なので、タイヤ交換のついでにやっちゃうのが正解です。

 今回はタイヤ交換も含め、2時間で作業終了。しかし、不具合が出ました。(泣)
 交換して3日後、駐車場の地面に怪しいシミがありました。シミを指にすくってみるとブレーキフルード・・・・・
 左前のキャリパーから漏れていたようです。早速ホイールをはずし点検すると、ドレンの締め付けが不足していたようです。幸いリザーバータンクが空になってはいなかったので、ドレンをし締め付けてからフルードを補充しました。また、ホイールハウス内に飛び散ったフルードを洗浄し、終了。ブレーキフルードは塗装を冒すので注意が必要です。
 今回のミスは、ドレンが渋かったのが原因です。あまり回しすぎて捩じ切っても嫌なので程ほどにしたのが失敗でした。以後気をつけないと、事故の元です。

 自分自身を過信するとよくないですね。いい教訓になりました。

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