05−06シーズンスタッドレス2

インプレッション
 装着して走ってみた感想は・・・

装着した当日(05/11/16)

 ちょっと試運転した感想ですが、ケース剛性は高いと思いました。ブロック自体は柔らかめです。ロードノイズはかなり静かです。

高速走行(雨天)(05/11/17)
 まだタイヤに当たりがついてない感じですが、とりあえず高速に乗ってみました。まずは乗り心地とグリップ感ですが、しっかりした感触で、スタッドレスを忘れさせるほどの出来映えです。段差を越えてもタイヤがしっかりと受け止める感じです。しかし柔らかいだけじゃなく、100km/h程度で左右にローリングしてみても、腰砕けすることもなくきちんと踏ん張ってます。
 直進性も申し分ありません。A4の持つ矢のような直進性は少しも失われておらず、ステアリングの修正は一切必要ありません。非常にリラックスしてステアリングを握っていられます。また、太いタイヤにもかかわらず、ワダチの影響はほとんどありません。
  ロードノイズは少ないです。音質を表現するのは難しいですが、気になるほどではないです。音量のピークは60km/hです。それ以下だと徐々に小さくなっていきます。反面60km/hを越えて80km/hをすぎるとピタッとやみます。ピーク時でもマフラーの方が完全にうるさいです。ってか、音を聞くためにクラッチを切ってエンジンをアイドリング状態にしないとノイズが聞こえません。こんな静かなスタッドレスは今まで無かったです。
 水たまりに乗ってもハイドロ現象は起きませんでした。このパターンは排水性に非常に効きますね!雨の日でも安心して走ることが出来ました。
 ここまでは大満足の120点です。しかしスタッドレスは雪の上・氷の上でナンボです。

雪上走行(05/11/17)
 
 いよいよ雪上走行です。市内に雪はなかったので、峠に入ってみました。
 気温:−0.5℃
 雪質:新雪(半シャーベット状)

 こんな感じの雪にはスタッドレスは弱いですね。自分で踏み固めた雪に乗ってしまう感じになります。雪を吐き出すパターンじゃないとズルズル行きますよ。しかも気温が高いので、滑りやすいです。
 んでX-ICEはどうかというと、あまり効きませんでした。でもコントロールはしやすい感じです。普通は冬期間にシャーベット状の新雪はあり得ません。必ず誰かが踏み固めた後に通るものです。まだまだテストを続けます。

氷上性能(路面凍結)(05/11/30)
 今朝は路面が凍結したので、スタッドレスのテストに出かけました。
 路面状態は昨夜の雪が一旦とけて水になり、その後、明け方に放射冷却で気温が下がり、薄くまんべんなく路面に氷が張った状態になりました。歩くのもやっとのツルツル路面です。気温は-0.5〜+0.5℃で、ちょうど滑りやすい状態です。スタッドレスには一番キツイ条件ですね。
 発進してみるとグリップの良さを感じます。以前のタイヤだと完全にリアが空転する路面状態ですが、4輪が路面を引っ掻いてる感じです。明らかに一枚上手のタイヤです。
 肝心のブレーキはググッと効きました。普通はツツツーと行っちゃいますが、確かな制動力を感じます。なかなか頼りになりますね。このぐらいの制動力だと神経質にならずに走れます。気分的には止まれる自信があるので安心感があります。
 交差点左折では、慎重さが必要です。ステアリングを大きく切った場合のコーナーリングはあまり得意そうではありません。

雪上走行(新雪・圧雪)(05/12/3)
 積雪22cmの中、札幌に向かいました。
 新雪ではグリップ最高です。良く雪を吐き出す形状なのかな?非常に安定しています。
 とはいえ普通は、どんな車・どんなタイヤでも新雪ではグリップは良いのですが、雪が抵抗になって挙動が乱れる傾向があります。特にFR車では前輪に駆動力がありませんので、顕著に表れます。ところがquattroでは4輪にトルクが配分され、前輪が雪を踏みつぶしながら進めるので、非常に安定しています。
 圧雪でも問題はありませんでした。確かなグリップ力を感じます。ワダチに入っても挙動は一切乱れません。緊張感なく安心して走ることが出来ました。なまらいい!この日は函館−札幌250km−5時間をノンストップで楽々走れました。疲れ方も夏と同じぐらいで、精神的にも楽でした。やはりタイヤのグリップ力+quattroの安定感は最強コンビと言って良いと思います。

総合的には(05/12/05)
 新雪、圧雪、氷上、そして乾燥路とテスト走行をしましたが、非常に優れたスタッドレスであることを感じました。走りの上での不安材料は一切無かったです。もちろんオーバースピードは論外ですし、カーブではキッチリ速度を落とさなければなりません。冬道でも夏と同じスピードで走れるということではありません。ですが、絶対的なグリップ力の高さ故、制限速度で走る分には充分すぎる余裕があります。この余裕は大きいですね。安心して走れるため精神的・肉体的疲労が大幅に低減されます。今までミシュランは案外良いよと聞いてきたことが、自分で履いてみて実感できました。このタイヤはなまら良いです!

A4tqが雪道で優れている点
 まずはquattroシステムの優秀さでしょうね。雪道でも安定感はバッチリです。しかも世界に先駆け4WDとABSを同時に装着してきました。この点は安全性を第一に考えるアウディらしい装備ですね。ところが4WDなのに発進時には意外にリアが滑りやすいです。普段50:50のquattroらしくないですね。でも、これは前輪が滑ると後輪にトルクが25:75と多く配分されるため。この特性を悪いと思うか良いと思うか考え方で変わります。鍬兎郎はこの特性は良いと考えてます。
 つまりこうです。運転手は路面がどのぐらい滑るか感覚的にはわかってません。わからせるためにはどうするか?滑るときには滑らせればいいのです。発進の時にリアタイヤが滑ったら・・・「ああ、今日はこのぐらい滑るのか。」と頭ではなく体で感じるのです。すると自然に路面状況に合ったスピードに落とすわけです。例えば・・・トラクションコントロールで楽々発進して、路面状況がわからず、オーバースピードで崖下に転落するよりずっと親切なセッティングだと思いませんか?
 しかもこのトルク配分によって、コーナーではアクセルONでテールスライドさえ出来るんですよ。FRをマイルドにした感覚で走れます。非常に楽しいです。アウディがアンダーステアだなんて言ってる奴は、本当の姿を知らないのです。
 その上、雪道を普通に走ってるときは常に安定した走りを披露してくれます。そのビシッとした直進性はみごとなモノで、修正舵を当てたりなど余計な神経を使う必要はありません。「ああ、quattroで良かった!」と思う瞬間です。
 エンジン特性も雪道向きです。小型ターボ故のフラットトルクで扱いやすい性格は発進時や巡航時のアクセルコントロールを容易にし、姿勢の乱れを防止します。エンジンのピックアップは少々鈍いぐらいが冬は走りやすいです。もちろん本気になってアクセルを踏めばターボゾーンで充分なパワーを出すのでスポーツ走行も楽しめますよ。
 細かなところではメーター内の外気温度計が便利です。外気温を把握することによって、路面の凍結の可能性や滑りやすさを予想できます。特に峠などでは雪が無くても気温によって霜が降りるときがあります。もし、外気温が0℃を下回ってるときは霜を警戒してスピードを落とすべきです。鍬兎郎も10年以上前に初冬の峠道でいきなり霜に乗ってスピンしたことがあります。外気温度計さえあれば防げた事故でした。また、気温が高いと氷は滑りやすくなります。温度を知ることは運転にかなり役立ちます。
 ということでquattroは雪道で死角のない走りを見せてくれます。非常に満足度が高い車です。

明るい冬を
 カーライフにおいて、北海道の冬って、気分的に暗くなりがちです。理由としては・・・・。
 1、冬は寒い
 2、冬は天気が悪く暗い
 3、雪道は滑る、怖い
 4、スタッドレスのホイールが格好悪い
 と、車好きにとっては暗黒の日々が続きます。ところが!である。
 今回ミシュランに替えてから、一部の暗くなる要因が消えました〜。
 まずは乾燥路での快適な走りです。静かである程度グリップし、嫌な腰砕け感もない。ビシッとした直進性はホントに夏タイヤのように快適です。
 次に雪道や氷の路面でもそれほど神経を使わないで走れると言うこと。これは今までのどのスタッドレスでも感じなかった安心感です。今までのタイヤはハッキリ言ってどこに飛んでいくかわからない不安が常につきまとっていました。ところがX-ICEは確かなグリップ力で、イキナリ滑り出す事はありませんでした。もちろん過信は出来ませんが、充分信頼に足るタイヤだと思います。
 更に17インチホイール装着の格好良さも明るくなる原因です。鍬兎郎号はフルエアロを纏ってます。これにノーマルホイールを履いてしまうと格好良さがノンエアロ+ノーマルホイールの場合に比べても200%落ちます(当社比)それはフルエアロ+大径ホイールに見慣れた私たちの目がそう錯覚させるのです。その点夏タイヤと同等の大きさしかも、BBSの鍛造RG-Rと来ればドレスアップの効果も倍増というモノでしょう。自然に気分も明るくなってきます。
 4本で約9万円とは決して安い買い物ではありませんが、私にとって充分価値のあるモノだと思います。愛車が半年間も格好悪かったら気分は暗くなっちゃいますよね?

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